ご挨拶 

 

心を癒す
渚 になりたい

ー 院長ごあいさつ

 

 当院は戦後の黎明期、昭和29年に開設されました。精神疾患の治療法がまだ確立していない時代でしたがその中で私どもは入院だけに限定するのではなく、生活面、職業面でのリハビリテーションを模索してまいりました。昭和30年代から40年代にかけて共同住居の設置、職親制度を利用した就労、家族会の設置などを行ってきました。

 当院の関連施設を運営する”渚会”という法人名は、そうした私どもの理念を反映しています。
 
 現代社会で生きていくものにとって健康であってもそうでなくても厳しい荒波にもまれ、時には必死の思いでそれをかきわけながら泳がなければなりません。漂流したり、疲れ切って渚に打ち上げられることもあるでしょう。
 
私どもはその心を癒す“渚”になりたいと願っております。
 
大原神経科病院 院長 大原總一郎

 

 
 
 

PROFILE

概要
名称

大原神経科病院

院長

大原總一郎

設立

1954年

所在地

〒319-1221

茨城県日立市大みか町1-13-18

連絡先

TEL 0294-52-4352

FAX 0294-52-4135

 
 
 

HISTORY

沿革

昭和29年

日立市大みか町1-13-18 大原精神病院開設 管理棟1・2病棟20床(S.29.1.15)

昭和39年

医療法人経営に改組「医療法人 日立渚会」(S.39.3.26)

昭和39年

院内家族会「なぎさ会」発足

昭和41年

日立なぎさ産業治療援護協会発足、共同住居(ハウス)誕生、共同住宅に訪問看護開始

平成5年

共同住居がミニグループホームとして茨城県と日立市に公認

平成6年

東京医科歯科大学精神神経科関連病院となる

平成8年

双子座像大原重雄理事長により建立(山崎猛作)詳しくはこちら

平成9年

精神科小規模デイケア正式に開所

平成14年

筑波大学精神医学教室関連施設となる

平成14年

地域生活支援センター「ライトハウス」開設(9/1)

平成16年

病院開設50周年を迎える(開業以来53年)

平成24年

精神科救急搬送患者地域連携受け入れ開始

平成25年

新西病棟完成(3階建て=2F3F病棟<70床>・1F作業療法室・喫茶室・等)

平成28年

昭和大学医学部精神医学講座関連施設となる

平成29年

精神指定病院 10床

現在に至る

基準・建物・敷地

病床数 定床246床(精神科・神経科)
精神病棟入院基本料 15:1
看護補助加2(50:1)
入院時食事療養費(Ⅰ)
薬剤管理指導料
精神科作業療法
精神科デイケア「小規模なもの」
後発医薬品調剤体制加算1
精神科救急搬送患者地域連携受入加算
CT撮影
地域活動生活センター「ライトハウス」
精神福祉法・精神療法・生活保護指定
精神科指定病院 10床
 

病院敷地面積

12,960.46㎡(HP)+1,420.89㎡(院長宅及び隣駐車場)+550㎡(寮)=14,931.35㎡

建物 建築面積 延面積
東棟本館(耐火構造) 1,504.95㎡ 4,288.81㎡
新西病棟(耐火構造) 978.48㎡ 2,788.98㎡
    14,931.35㎡
デイケア(耐火構造) 199.75㎡ 199.75㎡

双子座像の建立と星占い

初代理事長 大原重雄

相知りて 顔触ふあわす双子星
光を重ね 星座を支ふや
 
 故山崎猛先生に制作していただいた双子座のブロンズ像病院前の道路沿いに建立したのは、平成八年秋の頃のことだ。
 先生は活発な表情で、業者の先頭に立って座像の基礎工事を指導されたお姿を思い、感謝いたし、完成後、先生を囲んで立像の除幕式を行いました。
 式典後に、病院職員とともに、その喜びを共にしてささやかな祝宴を設けたところ、先生は大変お喜びになり「これからはこの双子座のような神話的、神秘的な創作に専念したい」と申されたお言葉は、忘れがたいものがある。
 その後まもなく、先生のご好意で、双子座像の原型(テラコッタ、石膏雌型)を病院玄関に設置していただいたのである。

 『なやめる人の 共に生きる姿が 表現されています』と先生自らの執筆で説明文が書かれている。
 
ほの赤きブロンズやヒューマンポエムかも
双子座像が神話を語れば
 
 双子座とは、ギリシャの天体学で十二星座(太陽系を遠く離れた黄道をめぐる十二の星座の一つである。
 ギリシャ神話によると、双子座はゼウス(ギリシャ神話の最高神)とレダとの間に生まれたカストル(アルファー星)、ボルツクス(ペーター星)の双子兄弟を見たてたものと言われている。しかも、カストロ星、ボルツクス星とも双子星で、航海者の守護聖とされている。
 ここで星占い(ホロスコープ)について一言。
ジェニミー 君を愛すと 歌声が
聞こえるような双子座の像
 星座は太陽系の守護神を持っており、その守護神と星座との力動関係を重視している。
 例えば、双子座(ジェニミー)の守護神は太陽系の水星である。太陽に最も近い惑星で太陽の十八分の一の質量しかないので、その保護支配を受けにくく、親星より強大な力を保持できる双子座として、独特な占い診断が連想される。
 閑話休題、ご尊敬申し上げる山崎猛先生のことから離れた駄文蛇足をお許しください。大変遅れて失礼だが、残念乍ら先生のご不幸をご報告申し上げなければならない。
 先生は双子座像建立後間もなく、平成十年八月に急逝、享年六十八歳。無念にも先生の熟達した技術で新しい分野の創作活動に尽くされるお姿を失い、ここに深く哀悼の意を表する次第である。
 山崎猛先生のご功績に関しては、「蝋型ブロンズ」自著、一九八六年、 茨城新聞社版に執筆されているので割愛させていただく。ただブロンズ制作の手順と労力が複雑高度であること、そして先生は美術教育(茨大教育学部教授兼任)を通じて指導なされた多くの弟子をかかえて、築炉焼成、鋳込みなど重労働を率先されたことが健康を害する原因となったものと思う。従って作品数も多く、先生の生地、高萩市に数十を超える巨大な彫像が展示されている。当病院に近い大みか小学校(十数年前に開校した)にも、愛らしい生徒の立像が校内に輝いているのである。
 先生には失礼だが、試みに故山崎猛名誉教授に星占いを適用してみる。先生は昭和五年三月五日のお生まれ、星座は牡牛座にあたる。聖書によると、牡牛座の守護聖は金星で、その影響で優れた美意識をそなえているが、決して華美は好まず、いうなればイブシ銀のような美意識であり、この星座の欠点は内面の頑固さであるという。まさに先生の彫像美術の占いに的中した評価と言ってよい。
 実は、私が先生の双子座像を拝見いたし、瞬時にひと目惚れしたのであるが…。私の星座が天秤座であることも不思議な出会いであった(私の正確な生年月日は大正十一年九月二十九日である)。天秤座の守護聖も金星であり、美的感覚をそなえているものの自分本位なのが欠点だと記されている。自分でもその通りだと思っている。
 最後に、乙女座の古歌の流儀を書きとどめ、次面に詩歌のことを書かせていただく宜しく。
 
半世紀迷ひ尽くせぬ 精神医
老いてははかなき暇説と直観
かすかなる あはれなる相あり これの
相に親しむと 字足らずの歌詠みたまふ
茂吉をしのび この丘に 赤き瓦の 屋を
組みて 白き格子の 窓辺より
かすかに見ゆる 東海の 明き光を 求むらむ
この星に住める 病人は皆
そを親しみて 友となり あはれを知らぬ
かすかなる 病ならむと 時を待ち居り
(斉藤茂吉歌集赤光の一首を引用させていただきました)
 
 どうか、永遠に消えないこの双子座像を眺めながら、神話的な夢を抱きつつ、共に生きてゆくことを念願する次第である。

 
 
 

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