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みなさまに
寄り添った医療を

ー 理念

 

真心を持った質の高い医療を提供いたします。

 
 
 

QUALITY

基本方針

まずは患者様を最優先に

患者様の尊厳と権利を守り、患者様中心の医療と看護を実現いたします。
 

 

毎日をいきいきと暮らすために

開放的で地域に密着し、親しまれる病院を目指します。

チームで力を合わせて

職員一人一人が「チーム医療」を大切にし、元気で楽しく働ける、やり甲斐のある職場に致します。

 

 
 
 

双子座像の建立と星占い

初代理事長 大原重雄

相知りて 顔触ふあわす双子星
光を重ね 星座を支ふや
 
 故山崎猛先生に制作していただいた双子座のブロンズ像病院前の道路沿いに建立したのは、平成八年秋の頃のことだ。
 先生は活発な表情で、業者の先頭に立って座像の基礎工事を指導されたお姿を思い、感謝いたし、完成後、先生を囲んで立像の除幕式を行いました。
 式典後に、病院職員とともに、その喜びを共にしてささやかな祝宴を設けたところ、先生は大変お喜びになり「これからはこの双子座のような神話的、神秘的な創作に専念したい」と申されたお言葉は、忘れがたいものがある。
 その後まもなく、先生のご好意で、双子座像の原型(テラコッタ、石膏雌型)を病院玄関に設置していただいたのである。

 『なやめる人の 共に生きる姿が 表現されています』と先生自らの執筆で説明文が書かれている。
 
ほの赤きブロンズやヒューマンポエムかも
双子座像が神話を語れば
 
 双子座とは、ギリシャの天体学で十二星座(太陽系を遠く離れた黄道をめぐる十二の星座の一つである。
 ギリシャ神話によると、双子座はゼウス(ギリシャ神話の最高神)とレダとの間に生まれたカストル(アルファー星)、ボルツクス(ペーター星)の双子兄弟を見たてたものと言われている。しかも、カストロ星、ボルツクス星とも双子星で、航海者の守護聖とされている。
 ここで星占い(ホロスコープ)について一言。
ジェニミー 君を愛すと 歌声が
聞こえるような双子座の像
 星座は太陽系の守護神を持っており、その守護神と星座との力動関係を重視している。
 例えば、双子座(ジェニミー)の守護神は太陽系の水星である。太陽に最も近い惑星で太陽の十八分の一の質量しかないので、その保護支配を受けにくく、親星より強大な力を保持できる双子座として、独特な占い診断が連想される。
 閑話休題、ご尊敬申し上げる山崎猛先生のことから離れた駄文蛇足をお許しください。大変遅れて失礼だが、残念乍ら先生のご不幸をご報告申し上げなければならない。
 先生は双子座像建立後間もなく、平成十年八月に急逝、享年六十八歳。無念にも先生の熟達した技術で新しい分野の創作活動に尽くされるお姿を失い、ここに深く哀悼の意を表する次第である。
 山崎猛先生のご功績に関しては、「蝋型ブロンズ」自著、一九八六年、 茨城新聞社版に執筆されているので割愛させていただく。ただブロンズ制作の手順と労力が複雑高度であること、そして先生は美術教育(茨大教育学部教授兼任)を通じて指導なされた多くの弟子をかかえて、築炉焼成、鋳込みなど重労働を率先されたことが健康を害する原因となったものと思う。従って作品数も多く、先生の生地、高萩市に数十を超える巨大な彫像が展示されている。当病院に近い大みか小学校(十数年前に開校した)にも、愛らしい生徒の立像が校内に輝いているのである。
 先生には失礼だが、試みに故山崎猛名誉教授に星占いを適用してみる。先生は昭和五年三月五日のお生まれ、星座は牡牛座にあたる。聖書によると、牡牛座の守護聖は金星で、その影響で優れた美意識をそなえているが、決して華美は好まず、いうなればイブシ銀のような美意識であり、この星座の欠点は内面の頑固さであるという。まさに先生の彫像美術の占いに的中した評価と言ってよい。
 実は、私が先生の双子座像を拝見いたし、瞬時にひと目惚れしたのであるが…。私の星座が天秤座であることも不思議な出会いであった(私の正確な生年月日は大正十一年九月二十九日である)。天秤座の守護聖も金星であり、美的感覚をそなえているものの自分本位なのが欠点だと記されている。自分でもその通りだと思っている。
 最後に、乙女座の古歌の流儀を書きとどめ、次面に詩歌のことを書かせていただく宜しく。
 
半世紀迷ひ尽くせぬ 精神医
老いてははかなき暇説と直観
かすかなる あはれなる相あり これの
相に親しむと 字足らずの歌詠みたまふ
茂吉をしのび この丘に 赤き瓦の 屋を
組みて 白き格子の 窓辺より
かすかに見ゆる 東海の 明き光を 求むらむ
この星に住める 病人は皆
そを親しみて 友となり あはれを知らぬ
かすかなる 病ならむと 時を待ち居り
(斉藤茂吉歌集赤光の一首を引用させていただきました)
 
 どうか、永遠に消えないこの双子座像を眺めながら、神話的な夢を抱きつつ、共に生きてゆくことを念願する次第である。

 
 
 

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